家庭菜園でも小規模の農業でも「肥料ってなんだろう?」とか「堆肥ってなんだろう?」みたいな疑問を持ち、さらには化成肥料と有機肥料とか、似てる資材の違いみたいな学びをする機会ってあると思います。特に私の場合は馬に乗る環境にはあれど、電気の仕様書などを作る仕事をしていたこともあって、農業資材や考え方に関しては分からないことだらけで、それこそ「肥料だけ与えていればよくない?」みたいな考えを初めのうちはもっていたくらい素人でした(^-^;
そんな中で、うちでも使っている馬糞堆肥ができるまでを詳しく学ぼうと調べていたわけですが、何でもないことでこんがらがってしまったので、そのことについて書こうと思います。
ことの発端は
「微生物が糞を発酵することで堆肥ができる。
そして堆肥を土に混ぜて微生物が堆肥を分解することで土壌が改良される」みたいな流れを読んですぐ思ったことが、
『ん?「発酵」って微生物が「分解」することだよな(・・?
馬糞て2回微生物に分解されてない?』と疑問を感じてしまい、
重複してない?とか、半熟な物を土に入れるということ?みたいな勘違いに発展していまったので、きちんと整理してみようと思いました。
微生物による『発酵』と、『分解』の違い
ここで大切なことは、
① 発酵も腐敗も、どちらも「分解」
発酵=良い分解
腐敗=困る分解
どっちも微生物がやってる「分解」そのもの。
② “良いものだけ”ができるわけじゃない
微生物は生きるために分解しているので、
いい成分(腐植のもと、栄養になる形 など)
イヤな成分(アンモニア、硫化水素、臭い、有機酸 など)
両方が出る可能性があります。

(なぜか漢字が微妙に変なのはAIのせいです笑)
つまり、
・腐敗っぽい方向(悪臭・有害・嫌気)に行きそうなら抑えて
・発酵っぽい方向(安定・無臭寄り・衛生的)に寄せて
・最後に 植物に使いやすい・土が良くなる状態 まで持っていく
…これが堆肥化という過程になります。
土の中の分解
これに対して、土に堆肥を入れるとどのような分解が起きるかというと、

①堆肥の有機物を無機化する。(肥料効果)
②腐食化して土の団粒構造(保水性・排水性の両立)を作る。
主にこのような内容になります。
ここまで掘り進めると、ようやく「糞の分解と土の中の分解は違うことをしているんだな」っていうのがイメージで分かるようになった気がします。
が、ここではもう一つだけ疑問をぶつけておきます。
完熟した堆肥は、土の中に入らないと分解は起きないのか?
そんな疑問を持つ方もいるかと思います。
結論から言うと、分解がまったく起きないわけではありませんが、非常にゆっくりで穏やかな状態になっています。
まず、完熟堆肥とは、分解されやすい有機物はほぼ使い切られ、微生物の活動も落ち着いた状態にあります。発熱や強い反応が起こらない、とても安定した段階に入っているのが完熟堆肥です。
この完熟堆肥を土の中に入れると状況が変わります。
土の中には、土壌細菌、ミミズなどの土壌生物、そして植物の根のまわりに集まる根圏微生物といった「土の住人たち」がすでに暮らしています。
完熟堆肥は、彼らに“見つけられる”ことで、土の生態系の一部として取り込まれ、ゆっくりと分解・変換されながら土へと変わっていきます。
つまり
完熟した堆肥とは、「分解が終わったもの」ではなく、「急激な変化が起きないほど安定した状態になったもの」ということなんですね。
まとめ
ということで冒頭の話に戻すと、
馬糞は「同じ分解を二度繰り返している」わけではありません。
①堆肥になるための分解(=発酵)
②土の中で土壌を変化させる分解
という全く別の分解をしていました。【解決(・∀・)】
さらに掘り下げると
堆肥化するまでの過程をもう少し掘り下げてみるとその中でも役割の違う分解が段階的に起きています。
大きく分けて、2つ。
高温によって有害な物質や病原菌を取り除く 「一次発酵」 と、
セルロースなどの分解が難しい有機物を、時間をかけてじっくり分解する 「二次発酵」 に分かれています。
つまり、一重に堆肥になるための分解(発酵)といいつつ、2段階それぞれ目的の違う分解が行われている、というわけです。
このあたりを理解すると、
「生の馬糞を土に交ぜてしまうのがなぜよくないのか」
「完熟堆肥はなぜ安心して使えるのか」
「なぜ土に入れてから、さらに役割を果たすのか」
も、ぐっと分かりやすくなります。
この一次発酵・二次発酵の違いについては、
次回、もう少し詳しく触れてみたいと思います。


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